たんぽぽ2実験装置を搭載したSpace-X 18号機の打ち上げ(当初は7月25日を予定)は、天候条件のため日本時間7月26日(金)午前7時24分に延期されました。
その後、日本時間7月26日(金)午前7時1分に、ファルコン9ロケットに搭載されたSpace-X (CRS)18号機は無事打ち上げられ、一段目分離後のフライバックブースター着陸、二段目分離、ドラゴン宇宙船の太陽電池パネル展開までが中継されました。
ドラゴン宇宙船は日本時間7月28日(日)までに国際宇宙ステーション(ISS)へ接近し、カナダアームで把持され、ドッキングを終えました。
その様子ははこちらから視聴できます。
▸ ライブ中継のリプレイ
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8月8日、たんぽぽ4年度資料と入れ替わる形でたんぽぽ2実験装置がExHAM1号機に設置されました。2020年夏から秋に帰還予定です。
宇宙塵捕獲用シリカエアロゲル
曝露実験装置
「たんぽぽ」と「QCC」の2つの実験を統合し得られた研究成果を補完・拡充する
*シリーズ実験の為装置の基本設計は同じ
*2019年夏秋より1年間の曝露を予定
たんぽぽ計画(たんぽぽ1)では、大小さまざまな衝突痕(トラック)を得た。
粒子が明瞭なもの、そうでないものがあった。
たんぽぽ
●疎水性表面
たんぽぽ2
●親水性表面のエアロゲルを新規に作成し追加
●「海洋天体プリューム捕集分析」へ向けた改良
微生物
放射性耐性菌:
シアノバクテリア:
菌の厚さに依存した生存性
表面の菌が防御剤となり内側の菌は生存
遮光試料は蘇生、増殖・分化能を確認
太陽光照射環境では、波長依存が強そう
たんぽぽ2:
窓材の変更により、波長依存性を確認
試料厚さのバリエーションを増加
有機物
アラニン線量計:
紫外線光量測定に成功
試料容器内では、ほぼ均一な照射を確認
ジペプチド生成が示唆
たんぽぽ2:
ジペプチド生成のさらなる検証
同位体ラベルによる生成確認の精度向上
共重合体の生成を検証(生理活性発現へ)
ジペプチドからさらに長いペプチド生成へ
有機物
アミノ酸・前駆体:
複雑有機物の宇宙環境耐性を確認
グリシンが地上実験による予測より安定
低分子前駆体であるヒダントインが地上実験による予測より不安定
波長依存性
(吸収スペクトルと太陽光スペクトルの積)
試料の蒸気圧
(ヘキサトリアコンタン膜厚との関係)
たんぽぽ2:
ヘキサトリアコンタン膜厚のバリエーションを増加
窓材なしの曝露の追加→QCC型曝露
主に炭化水素(特にQCC)に対する曝露実験からは、
炭素質隕石物質中の不溶性有機物(IOM)に共通する性質の獲得
急冷窒素含有炭素質物質
研究対象の拡大
炭素質ナノ粒子の宇宙風化と星間有機物進化の実証研究
実験生成有機物の宇宙曝露による宇宙ダストの性質の理解
試料数の増加
64→100曝露面裏側の利用
小天体有機物の宇宙曝露実験
隕石有機物や模擬物質の構造変化を調べ、宇宙風化の影響を明らかにする
窒素含有炭素質物質の宇宙曝露実験
新星周囲で形成される赤外特性を良く再現する急冷窒素含有炭素物質を曝露し、原始太陽系有機物との比較を行い、終焉期の恒星起源有機物が始原的な太陽系有機物の一部なる仮説の検証を行う
アミノ酸およびその関連物質の宇宙曝露実験
宇宙に存在しうるアミノ酸関連有機物の宇宙塵環境下での安定性と構造変化を明らかにする
2019.4
実験装置引き渡しTeam→JAXA→NASA
2019.7.26
打ち上げ
2019.8.8
曝露開始
2020. 夏~秋
曝露終了
2020. 秋~冬
引き渡し・分析開始
© TANPOPO Project