研究グループは、超低密度エアロゲルを用いることで、微小隕石やその他の微粒子を捕集することが可能であると考えています。ISSが周回する軌道(低軌 道と呼びます)上で超低密度エアロゲルを一定期間曝露することで宇宙空間で微粒子を捕集します。エアロゲル表面と衝突トラックの顕微観察の後、エアロゲルの様々な解析を行います。衝突トラックの詳細な検討により、ISS周辺のデブリのサイズと速度が明らかにできると期待しています。エアロゲル中に残存した粒子に関して、鉱物学的、有機化学的、及び微生物学的な検討を行います。一方、宇宙環境下での微生物の生存可能性について検討するため、微生物を宇宙空間に曝露する実験も行います。同様に、宇宙環境下での有機化合物の変性の可能性を検討するため、有機化合物の宇宙空間への曝露実験も行います。これらの実験を行うための装置はすべて受動的な装置であり、そのための装置の基本構造、装置回収後の解析法も、既に確立されています。
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Q: たんぽぽ計画とはどんな計画ですか。
A: この計画は国際宇宙ステーション上で微生物や宇宙塵、有機物を採集しようという計画です。同時に微生物や有機物を宇宙空間に曝露してそこで、微生物がどの程度生存できるか、有機物がどのように変成していくかを調べたいと思っています。
Q: 計画はどのような段階ですか。
A: 計画は国際宇宙ステーションの第二期利用計画で実施する計画の募集に提案されました。曝露部では4つか5つの実験を共同で行う実験が計画されていますが、「たんぽぽ計画」その共同実験候補の一つとして選定されました。その後、共同で行う実験とは別に実験を行う準備が進み、2015年にたんぽぽ計画の装置が打上られました。
Q: 宇宙に微生物はいるのでしょうか。
A: これまでに高度58kmで微生物が見つかっています。宇宙ステーションが周回している高度400kmに微生物がいてもおかしくありません。この実験は微生物がいるかどうかを確かめる実験です。
Q: 微生物は生きているのですか。
A: 高度400kmは真空ですので、微生物が増えることはまずありません。生きているとすれば、いわば冬眠している状態でしょう。
Q: 地球外の微生物を採集するのですか。
A: 太陽系全体に比べれば地球のすぐそば400kmでの採集ですから、地球由来の微生物を捕る可能性が高いとおもいます。将来は地球外の微生物も採集できるような実験をしたいと思っています。
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